2011年10月26日水曜日

教え過ぎ その2

昨日のブログに引き続き、
講師が教え過ぎることによる弊害について考えます。

塾で教えていると、授業を延長して行っている講師をよく見かけます。
一見、熱心に教えているように見えますが、
それが生徒にとって本当にいいのかどうか。

与えられた時間の範囲で授業をするのがプロです。
熱心さと自己満足を履き違えてるのではとも思います。

本来授業が終わる時間を過ぎると、生徒の集中力は一気に落ちます。
講師の集中力も同様でしょう。(自覚は無いかもしれませんが。)
そんな状態で授業を延長しても、意味があるとは思えません。

中には、講師の熱心さに動かされ、勉強にやる気を出す生徒もいるでしょう。
やる気が上がれば、それが1番です。

ただ、延長して授業を行うと、
生徒が勉強した気になってしまいます。
講師も授業した気になってしまいます。
これは最悪です。

延長することの1番の弊害は、
生徒が勉強したつもりになり、
講師が授業をしたつもりになってしまうことです。
昨日のブログで書いた通り、
教え過ぎると、生徒の実力は上がりません。
また、生徒が勉強したつもりになってしまうと、
最も大切な復習が疎かになってしまいます。

僕の塾では一コマの授業は80分です。
最後のコマの授業が終わって、生徒を完全に帰宅させる時間まで40分あります。
この時間、完全に授業を延長すれば、
120分にもなります。

120分も同じ科目の授業を続けても、自己満足に終わってしまうだけで、
効果は限りなく薄いものになります。
仮に生徒にやる気があっても、頭がついていきません。
普通の人間に120分も集中力を持続させることはできません。

僕も教える仕事を始めたころは、よく授業を延長していました。
熱心になればなるほど、多くを伝えたくなります。
多くを伝えようとすればするほど、
伝えたい内容は薄れていきます。

ポイントを絞らないといけないことに気がついたのは、
ほんの一年くらい前です。

そこから一気にスタイルを変えました。
まだ、うまくできない部分もありますが、
確実に実感できています。


まず、教え過ぎることをやめましょう。
伝える内容を制限し、
時間内に授業を終わらせるプロ意識を持ちましょう。

2011年10月25日火曜日

教え過ぎ

講師が教えすぎると、生徒の成績は上がりません。

思考力もつきません。

学校で行われているような授業は基本的に、
教科書に書いてあることを読み上げているだけであるように感じます。
少なくとも僕が中学や高校で受けてきた授業はそうでした。

10個ある内容を1から10まで全て読み上げる。
その作業に意味があるとは到底思えません。
書いてあることなら読めば分かりますから。

結局そんな授業なんか聞いていませんでしたし、
定期テスト対策は自分で授業中に行っていた記憶があります。

講師の役割は、授業の中で生徒に気づかせることです。
理解しなければいけない10個ある内容のヒントだけを与えることです。
生徒目線でみれば、授業中に教わった内容と、気づいた内容とでは、定着度は雲泥の差です。
自分の頭で考え、気づくことはとても気持ちがいいことで、
脳みそにしみ込んで行く感じがします。
だから記憶にも残り、必要なときに使えます。

僕が高校生の頃にお世話になった数学の先生は僕が質問に行くと、
「1から10まで質問するんですか?」
と、質問しすぎる僕を諭してくれていました。

浪人していた頃からお世話になっている関正生先生も先日ブログで、
執筆されているスタンスについて、内容を限定することの重要性を語られていました。

以下引用です。

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まず僕の執筆のスタンスは「“今までにない英語の新しさ”を伝える」です。
従来の英語教師・本の多くは「網羅型」です。それはそれでもう星の数ほどの本、もちろん良書もあるので
あえて出版する必要はないと僕は思います。


でも僕は、「教師の力量次第で“網羅しなくてもいい”状態」を作り出せると信じています。





従来型:1・2・3・4・5・6・7・8・9・10… とひとつずつ教える(網羅する)
僕の考え:1 ・ 3 ・ 7 ・ 10だけ教える





僕は一部のポイントをつけば、その間にある(2や4などの)知識はマスターできると考えます。
これがその教師の力量です。極論を言えば、1と10だけ教えて、その間の2~9までマスターさせる教師は達人ということです。

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引用元のブログはこちら


僕も普段塾で教えていて、「今のは説明しすぎた」と反省することは多々あります。
そういうときはたいてい生徒は内容を忘れてしまっています。
本来20分かかる説明を5分でして、余った時間で自分で考えさせた方が圧倒的に生徒の記憶に残っているというのが、授業していてよく感じることです。


気づかせるということは、教えることよりもはるかに難しいでしょう。
ただ、自分で気づいたように感じさせることは、できるのではないかと思います。
一生懸命説明してしまいがちな先生は、たまにはざっくり説明してみてもいいのではないでしょうか。