2015年12月31日木曜日

1月17日のセミナー、申し込み受付開始しました!


http://kokucheese.com/event/index/364668/

今年はあまりセミナーを行えなかったのが心残りでした。

来年は少しスタイルを変え、10名程度の少人数のセミナーの数を増やしていくつもりです。

内容は「映画を使った英語の勉強法」と「目標達成の技術」が主軸になります。

今回は2015年9月に公開された映画『キングスマン』を使ってワークを行います。

映画をご覧になった方はもちろん、まだご覧になっていない方も、映画を使った英語学習に興味がある方は、お気軽にお申し込みください。

2015年12月27日日曜日

今年のスパイ映画の中で『キングスマン』がダントツで好きな理由

日本では9月に公開された映画『キングスマン』

やっとブルーレイ・DVDが発売されましたね。

KINGSMAN / キングスマン ブルーレイ プレミアム・エディション(初回限定版) [Blu-ray]
 


今年はトム・クルーズ主演の大ヒットシリーズ、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『シャーロック・ホームズ』のガイ・リッチー監督最新作の『コードネーム U.N.C.L.E.』、シリーズ24作目となる『007 スペクター』といったスパイ映画祭りでしたが、僕が一番惚れ込んだのはマシュー・ボーン監督、コリン・ファース主演の『キングスマン』でした。

僕が特定の作品を好きになる理由は、娯楽性とメッセージ性のバランスが取れていることです。

その点、ミッション・インポッシブルはいつも通りトム・クルーズが大活躍するので楽しいんですが、「娯楽性:メッセージ性=7:3」くらいで、娯楽性が強すぎるんです。

ガイ・リッチー監督の作品はいつも娯楽性マックス 、『シャーロック・ホームズ』もブラッド・ピット主演の『スナッチ』も大好きな作品ですが、「娯楽性:メッセージ性=10:0」なんです。(0は言い過ぎかもしれませんが、そういう作風なので...)

『007 スペクター』も 「娯楽性:メッセージ性=8:2」くらいでしょうか。
 映画としては星5つ、最高に楽しかったんですが、入れ込むほど好きにはなれませんでした。
前作『007 スカイフォール』はもう少しメッセージ性が強い印象だったんですが、今作はダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドの集大成だけあって、娯楽性が強目でした。

そして、『キングスマン』はというと、 「娯楽性:メッセージ性=5:5」で絶妙にバランスが取れているんですね。

ストーリーの中で一貫して語られる、MANNERS MAKETH MAN「マナーが紳士を作る」というモットーは、教える立場にいる僕にはこれ以上ないほどの言葉です。

マナー不足が社会問題にもなってますし、スパイである前に紳士的なキングスマンの振る舞いは、映画を観る前と観た後では、実生活にも影響するほどカッコいいんです。

実際、僕はキングスマンを観てから、より服装に気を使うようになりましたし、マナーについて以前よりも深く考えるようになりました。

日本語で言う「マナー」は歩きタバコをしないとか、電車の中で携帯で話さないとか、人として当たり前のことばかりですが、mannersは「行儀・作法」、もっと高いレベルで振る舞いを良くしていくことなんです。(ちなみにmannersは「作法」ですが単数形mannerは「方法」という意味です)

コリン・ファース演じる主人公、ハリーが語る言葉には「生まれや環境で人生は決まらない。学ぶ意欲さえあれば人は変われる。」という強いメッセージが込められていますね。

スパイ映画としての描き方も、最近のシリアス路線や、単にカッコいいアクションがあるだけでなく、若者の成長物語が主軸になっているので共感できます。

さらに言えば、悪役の女性が義足であることにも意味があり、教会でのシーンで殺されるのが、差別主義者であることにも意味があります。(ブルーレイの特典映像でも監督が語っていますね)

他に僕が好きな映画には『Vフォー・ヴェンデッタ』、『インターステラー』がありますが、Vフォー・ヴェンデッタは近未来の独裁国家が舞台なので、政治について考えることができます。『インターステラー』は環境問題により生活できなくなってしまった地球を抜け出し、別の銀河に居住可能な惑星を探しに行く話で、宇宙に対するパイオニア精神や、実際に起こりうる環境問題が語られています。「家族愛」がテーマになっていることも好きな理由です。

『キングスマン』はヴァイオレンスな描写が多い映画ですが、決してグロテスクではない(多少血はでますが)ので、作品に込められたメッセージを考えつつ、是非楽しんでいただきたいと思います。
 

2015年12月7日月曜日

『007 スペクター』のQのジョーク


『007 スペクター』、公開初日に観てきました。

満足度はMAX、めちゃくちゃかっこよかったです!!!

ダニエル・クレイグが主演になってから4作目になりましたが、今までの作品の伏線を回収していくので、『カジノロワイヤル』、『慰めの報酬』、『スカイフォール』を観てから鑑賞するのがオススメです。

少なくとも『スカイフォール』は観ておいたほうが楽しめるでしょう。

監督は『スカイフォール』と同じくサム・メンデス。
「家族」がテーマなので、MやQを始めとする仲間達とのコンビネーションも今回の見所です。

僕はQのキャラクターが大好きなので、今回は彼のセリフを紹介します。

これは『スカイフォール』のセリフなのですが、ボンドにスパイアイテムを渡す際に次のセリフを言っていました。

Good luck out there in the field... And please return the equipment in one piece.



the equipmentはスパイアイテムのことですね。
これを"in one piece"で返すように言っています。

このinは「形式のin」なので 「ひとつにまとまった形式で」という意味から「無事に」という意味になります。

→「形式のin」は write in English というときのinと考えていいです。
  英語という形式で書くということです。
   in alphabetical order 「アルファベット順に」、in pencil「鉛筆で」などのinも同じですね。

そして今回の『スペクター』では次のセリフを言っています。Qがジョークを言って、自分で笑うというコミカルなシーンです。

 I thought I told you to bring it back in one piece, not bring back one piece.

最初は in one piece「無事に」となっていますが、not bring backの後ろはinがなく、単にone piece「ひとかけら」となっています。

ボンドに対して、前回アイテムを「無事に」返すように言ったのに、ボンドが借りた物をめちゃめちゃに壊して「ひとかけら」しか返さなかったことに対して皮肉を言っているんですね。

イギリス人はこういう皮肉めいたジョークが好きですね。

字幕は戸田奈津子さん。今回は字幕をあまり見ないようにしていたので、なんとしていたか覚えていませんが、英語を聞き取っていないとQのシャレたジョークを正しく理解するのは難しいのではないかと思います。


*****

12月12日からはQのポスターが劇場で配布されるそうですね。
僕もすっごく欲しいですが、当日朝から動かないといけないので難しそうです。
おそらく1日で配布し終わるので、あとでヤフオクで手に入れようかなと思っています...



かっこいいなあ...





2015年9月22日火曜日

『キングスマン』の背景知識解説 〜階級社会について〜



『キングスマン』(原題 Kingsman: The Secret Service)

 



さっそく昨日2回目を観てきました。

セリフなどの解説も行いたいですが、今日は文化背景の解説です。

□あらすじ

ざっくり言うとどこの国にも属さない世界最強のスパイ組織のお話です。

そんなスパイ組織「キングスマン」のメンバーの1人が殉職し、欠けた人員を補充するため、コリン・ファース演じるハリー・ハート(コードネーム:ガラハド)やその他キングスマンは若手の候補者をリクルート、教育・訓練します。

ハリー以外が連れてきた候補者はオックスフォードなどの名門大卒、いわゆるエリートの上流階級出身ですが、ハリーが選んだのは犯罪歴もあるヤンキータイプの平民、労働者階級の出身です。

『キングスマン』は高級スーツに身を包んだスパイが戦うヴァイオレンスアクションでもありますが、『マイ・フェア・レディ』のような階級を超える成長物語でもあるんです。


□階級社会

日本人にはあまり階級意識はありませんが、イギリス人は年々階級への意識が強くなっているそうです。

階級は、貴族出身の上流階級(upper class)、中産階級(middle class)、労働者階級(working class)に分かれます。

上流階級は貴族(aristocrat)の古い家系の出身で代々受け継がれるものなので、誰でもなれるものではありません。英国王室、公爵や伯爵がイメージしやすいはずです。

中産階級は会社経営者や専門職(弁護士、医師、研究者など)に就く上層中産階級(upper middle class)と、中間管理職や事務職に就く下層中産階級(lower middle class)に分かれます。

労働者階級は工場労働者などの肉体労働者を指します。

労働者階級に生まれても、一生懸命働けば上の階級に上がれるというわけではなく、その階級を何世代も維持しなければ、ただの成金としか見られないようです。

階級の影響は生活の節々にあらわれます。たとえば、話し方、アクセント、服装、マナーなどです。

『キングスマン』の映画の中でも、これらの特徴がはっきり描かれているので、ぜひ注目してみてください。

主人公の若手候補者エグジーや、その母親の恋人の取り巻きがまさに労働者階級で、話し方やアクセントに特徴があるのが分かります。

対照的にキングスマンのメンバーは地域の訛りはあるものの上品なアクセントで話しています。(階級とはあまり関係ありませんが、サポート役のマーリンはスコットランド訛りです。)

貴族の出身ではないのに上流階級のように上品な話し方をしたり、高級な衣服や食事を嗜むと「スノッブ(snob)」と言われますが、本作の中でもある登場人物がsnobと言われています。


2015年9月13日日曜日

映画敬語教育学会 九州支部大会

今日(2015年9月13日)は福岡医療短期大学3Fで映画英語教育学会の九州支部大会が開かれるので、刺激を受けるために参加してきます。

以下、大会プログラムです。



「洋画の台詞における人名の意味理解」や、「Frozen『アナと雪の女王』の主題歌研究と作品の分析」が特に気になる発表です。

学会メンバー以外でもどなたでも参加可能・参加費無料ですので、
興味がある方は是非お越しになってください。


2015年8月27日木曜日

『前置詞大完』斎藤秀三郎




この夏、一番買ってよかったと思う本です。

前置詞だけで1310ページ。

3年前に探したときは探し方が悪かったのか、見つかりませんでしたが、

今年やっと手に入りました。


16,000円くらいで購入。

古書はいい値段のものが多いので、なかなか手が出しづらいと思いますが、

読んでみると払ったお金以上の価値があります。


しっかり研究して、仕事に還元していきます。



2015年7月20日月曜日

『バケモノの子』

繁忙期に入ったので、なかなかブログも書けていませんでしたが、

せっかく観たので『バケモノの子』の感想を。


...めちゃくちゃ面白かったです!!!

細田守監督の作品はどれも好きなんですが、その理由はテーマが共感しやすいからなんですよね。

『時をかける少女』は言うまでもなく「青春」を、

『サマーウォーズ』 では「家族」と「人生」を、

『おおかみこどもの雨と雪』では「母」をテーマとして描いていました。

今回は「父」ですね。「子どもはどう育っていくのか」を描こうとしたこともインタビューで答えていました。

子どもにとって世の中にはいろいろな形で父や師匠になる人がいる、ということですね。

僕も自分の父親の影響は受けていますが、勉強や仕事に関しては塾・予備校で習っていた先生方が師匠です。

僕も18歳のときから教えているので、教える立場になって8年になりますが、教える側も子どもから学ぶことってたくさんあるんですよね。今回の作品は、子どもとの接し方を考えさせられるシーンが多かったです。

また、立場を変えれば僕もまだまだ学ぶ側の人間なので、主人公、九太の気持ちにも共感できます。

大人が見ても子どもが見ても、あらゆる世代が楽しめるように作られていますが、僕の世代(20~30歳)くらいが実は一番楽しめるのではないかと思いました。

まだご覧になってない方は是非映画館に行ってみてください。



この本も、細田監督の作品作りに対する哲学が分かり、面白かったです。
スタジオ地図の作品、今後も楽しみです。


『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)で描かれたテーマ

公開初日に観に行きました。

監督は『アベンジャーズ』(2012)と同じジョス・ウェドン。

ルッソ兄弟が監督した『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)が抜群に面白かったので、期待はそこそこに行きましたが、監督は違えど、いい影響を受けて傑作に仕上がっていたと思います。

冒頭の戦闘シーンで一気に心を鷲掴み、アベンジャーズのメンバーがパーティーに参加するプライベートな一面、ホークアイことバートンの家族愛、本当はX-MENだけど大人の事情で改造人間という設定のスカーレットウィッチとクイックシルバーなどなど...見所もりだくさんです。

....が!

今回注目したいのは歴史的な背景です。

『キャプテンアメリカ/ウィンター・ソルジャー』ほどではないですが、アメリカの政策を暗に批判しているのが感じるられ、面白かったです。


※この先ネタバレあり
※ウィンターソルジャーのネタバレもあります


2015年6月5日金曜日

日々是鍛錬

好きな言葉の一つです。

学力は爆発的に伸びることはなく、ジワジワと上昇していくものです。

ひとたびヒットすればあっという間に世の中に広がる発明品やサービスとは違うってことなんですね。

なかなか実感がわかずに、特に今の時期は、気持ちが折れそうになることもあると思います。

ただ、そこで折れずに日々努力していれば、必ず実を結びます。


僕も、授業はもちろん、入試問題の分析、 参考書の研究、読みたい本、観たい映画もたまってます。

資格試験の研究もしたいので、TOEIC、英検、TEAPは受けることにしてます。

ありがたいことに新しい仕事の依頼もいただいて、やることは山積みですが、

日々の努力は怠らないようにします。


2015年5月8日金曜日

日曜日は東京で勉強してきます

今週日曜、5月10日は土岐田健太先生のセミナーに参加します。

タイトルは「たった50分で一生忘れられない英単語の授業」 。

社会人の英語やり直し向けの第1部と、英検準1級と1 級向けの資格対策の2部構成だそうです。

昨年度はスケジュールが合わず、あまり参加できなかったので久しぶりですが、

いつも目から鱗の知識と知恵を伝えてくださるので、今回も楽しみです。

http://ameblo.jp/kyouyoutoeigo/entry-12022389313.html

2015年5月6日水曜日

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』観てきました。



なかなかタイミングが合わず、やっと観に行けました。

アカデミー賞、ゴールデングローブ賞など数々の賞を受賞しているだけあって、素晴らしい作品でした。

◇あらすじ

かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台 「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の 才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……。(シネマトゥデイ http://www.cinematoday.jp/movie/T0016565)

◇感想

ネタバレを避けるため、結論には触れません。

謎の多い映画ですが、冒頭のレイモンド・カーヴァーの引用を思い返すと、ラストシーンで感動できます。

引用はこちら
And did you get what you wanted from this life, even so?

I did.

And what did you want?


To call myself beloved, to feel myself beloved on the earth. 

字幕は

「この人生で望みを果たせたのか?

果たせたとも

君は何を望んだのだ?

”愛される 者”と呼ばれ

愛されていると感じること」

となっていました。

belovedが「愛される者」となっていますが、要は「愛されていると実感できること」を望んでいるんですね。

この意味を頭に入れてラストシーンを見ると、サムの表情が意味するところが理解できるはずです。

◇好きなシーン

全編通して、ハリウッド映画業界やアメリカ文化を風刺するブラックジョークでいっぱいなんですが、特に俳優を探すシーンが好きです。

ウディ・ハレルソン、マイケル・ファスベンダー、ジェレミー・レナーが言及されますが、それぞれ『ハンガー・ゲーム』、『X-MEN』、『アベンジャーズ』に出演している俳優です。



「とりあえずヒーローものに出しとけ」というハリウッド映画の風潮を風刺しているんですね。
主演のマイケル・キートンも実際に『バットマン』(1989)でヒーローを演じていたことも相まって痛快なブラックジョークになっています。

このときのセリフで使われている put him in a cape という表現も面白いです。

直訳は「ケープの中に入れる」ですが、前置詞inは「中」→「包まれている」という意味から「服を着ている状態」を表せるので、「ケープを着せる」という意味になります。
(映画『メン・イン・ブラック』のinも同じ意味で「黒服を着た男たち」になりますね。)


ヒーローと言えばケープ(マント)なので、「ヒーロー映画に出す」という意味になるんですね。



*****


ゴールデンウィークも今日までですね。

今日は授業がないですが、家で作業して、終わればご褒美として『シンデレラ』を観にいくつもりです。

実は、ゴールデンウィークという名前は映画を観るためのゴールデンタイムという意味合いでついたそうです。

『バードマン』は映画業界に対する強い風刺や、家族との関係や仕事に対する葛藤を独自の視点で描いた作品です。好みは分かれると思いますが、まだ上映中なので是非映画館でご覧になってください。













2015年4月30日木曜日

gravity「重力」で覚える英単語

前回、『ゼロ・グラビティ』を紹介したので、

今回は久しぶりに単語の解説をします。

「gravity = 重力」はおなじみですが、

そもそも重力とは、地球が物体を引きつける「引力」ですね。


例えば、gravitateという動詞は次のように使われます。

He gravitated toward the field of clothing design.
「彼は服飾デザインの分野に引き寄せられた。」


慶応の理工でも出題されています。

By accessing the telescope’s imagery via the Internet, Perlmutter was able to study new type-Ia supernovae from his office in Berkeley. In 1992 they discovered a type Ia at redshift* 0.46, from a time nearly halfway back to the Big Bang ― a new record. Meanwhile, new scientists gravitated to his team, by then known as the Supernova Cosmology Project.

下線部の意味に最も近いものを選びなさい。
1.were attracted    2.were introduced    3.were led  4.were scouted

2013 慶応義塾大学 理工





正解は1. were attracted  ですね。

魅力で引きつけるという意味のattractと言い換え可能です。




また、単純にgravityの「重さ」を意識すると、「物事の重大さ」という意味にもなります。

こちらは映画で耳にする表現です。



aggravateという動詞も「重くする」という意味で、病気や困難を悪化させるという意味で使われています。

aggravate the damage「傷を悪化させる」
aggravate the situation「状況を悪化させる」

大学入試では主に医学部で、語彙問題に出題されています。

TOEICのpart 4でも出題されていました。


3つとも要チェックの単語です。

・gravitate「引きつける」
・gravity「物事の重大さ」
・aggravate「悪化させる」



2015年4月24日金曜日

『ゼロ・グラビティ』(2013)【オススメ映画100選】3/100



先日発売されたテキストでも扱われている映画です。
アカデミー賞も7部門受賞!

最近はセミナー開催するほど『インターステラー』にハマっていますが、似た系統の映画として、『ゼロ・グラビティ』は自信を持ってオススメできる映画です。

普段宇宙ものの映画を観ない方にも是非見ていただきたいです。


◇オススメポイント

 

・宇宙に取り残される絶望感

あの広い無重力空間に放り出されるのを想像するだけでゾッとしますが、アルフォンソ・キュアロン監督の長回し映像によりさらに絶望感が煽られます。

映画開始から17分間の超長回し映像...
スペースデブリ(宇宙を飛び交う破片)の脅威をリアルに味わうことができます。
IMAX3Dで鑑賞しましたが、3Dはまさにこの映画のためにあると思えるほど絶望しました。

スペースデブリはいわゆる宇宙ゴミなんですが、実際に地球の周りを軌道を秒速8kmで回っているので、ぶつかれば人工衛星でも爆発するそうです。

・対比される希望

ラストシーンにかけても緊張感満載で心臓バクバクなんですが、
最後のセリフと、タイトルの"Gravity" が表示された瞬間、涙が溢れます。
詳しくは是非見ていただきたいですが、この映画のラストは希望に溢れています。

邦題は『ゼロ・グラビティ』 になってしまっていますが、
原題は”Gravity”です。

映画には変な邦題がつくことが時々ありますが、
この作品もその一つです。

ただ、英語講師的な視点で見ると、
邦題と原題のギャップを比べることで学べることがあります。

是非、映画をご覧になって、原題の意味を考えてみてください。











2015年4月20日月曜日

テキスト『English Delight of Movie English and TOEIC』



映画英語教育学会のメンバーとして執筆したテキストが本日発売されました。
本の執筆は目標の一つなので、今回のテキスト執筆は夢への第一歩です。

映画に関する英文を読み、TOEIC形式の問題を解くという内容です。

今回、僕はUnit 10の『ソーシャル・ネットワーク』に関する英文と問題の作成を行いました。

予備校での授業は大学入試の過去問を使うことが主なので、
素材を選び、どう料理するかが仕事なんですが、
今回は素材を作るところから関わることができたので、
とてもいい経験になりました。



TOEICの英文は広告やメールなので、読んでいて全く面白くありません。
市販の公式問題集などでTOEIC形式の問題を解いていると、
もう、イヤになってくるんです。
これは多くの学習者が同じだと思います。

このテキストは映画好きであればもちろん、
映画にあまり興味が無い方も、英米文化や社会問題に触れることができるので
面白い内容になっています。

扱っている映画も『塔の上のラプンツェル』(2010)、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』 (2012)、『マネーボール』(2011)や『ゼロ・グラビティ』(2013)など、最近の映画が多く、個人的にもオススメな映画ばかりです。
僕も他の執筆者が書いた箇所を読みましたが、とても面白かったです。



普段授業するときは料理人の気持ちですが、今回は素材を育てる農家の気持ちです。

多くの文法事項や語彙が学べるように英文を丹念に作りこんだので、
読めば読むほど骨太な英語力をつけることができるはずです。


オススメ映画100選の連載記事も始めたので、
近々このテキストに使われる映画も紹介していきたいと思います。







*****

今回、お世話になっている方々に献本させていただいたのですが、
関正生先生、土岐田健太先生にブログでご紹介いただきました。

身に余るお心遣いに感謝の気持ちでいっぱいです。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。








2015年4月6日月曜日

『マトリックス』(1999)【オススメ映画100選】2/100



いわずと知れた名作ですが、今の高校生・大学生は見たことがない人が多いようです。
アクションも素晴らしいですが、哲学的なテーマをじっくり考察しても面白い作品です。

◇オススメポイント

ウォシャウスキー兄弟の最高傑作です。

15年も前の映画ですが、今見ても楽しめる革新的な映像。
テーマも「電脳世界」といった仮想現実であり、今のSNSにも当てはまるところがあります。

(LINEやTwitterもときどきアカウントを乗っ取られている人がいますが、「あ、エージェントスミスだ」みたいに思ったりします。笑)

作品中に散りばめられたメタファーも見どころです。聖書をモチーフにした暗示が多いので探してみるのも面白いです。

ウォシャウスキー姉弟の最新作の『ジュピター』は、個人的にはイマイチでしたが、『マトリックス』は映像以外にも深みがある映画なので、是非。


◇好きなセリフ



There is a difference between
knowing the path and walking the path.

違うのだ
道を知ることと
実際に歩むことは






2015年4月5日日曜日

『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』(2002)【オススメ映画100選】1/100


文化を学べたり、いいセリフがある映画を中心に、英語講師の視点でオススメの映画を紹介していきます。

◇あらすじ

『 マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』 はアメリカを舞台にしたラブコメディ。
 ギリシャ系アメリカ人女性と、普通のアメリカ人男性が結婚します。

◇オススメポイント

異文化間のコミュニケーションを描いたもので、これ以上の作品はないでしょう。
「ギリシャ人はギリシャ人と結婚しなくてはならない」と刷り込まれて育ったトゥーラはごくごく普通のイケメン(?)アメリカ人に恋に落ちます。ギリシャ人であることを誇りに思っているお父さんに猛反対されますが、徐々に打ち解けていきます。

日本人からみると、アメリカ人はテンションが高くて、すぐハグするイメージがあると思いますが、ギリシャ人はそんなアメリカ人が引いてしまうくらいハイテンションで、ものすごい勢いでハグします。

ハグやキスなどの接触行動は文化によって違うことが知られていますが、映画で疑似体験できるところがいいです。

もちろん映画なので、脚色はありますが、強烈なハグを受けてドン引いているアメリカ人がコミカルに描かれています。

結婚式もギリシャ式で行われるのですが、ギリシャ式の結婚式では花嫁がバージンロードを歩く時にみんなでツバを吐きかけます。魔除けの意味があるらしいのですが、なかなかの衝撃です。笑

式は終始ギリシャ語で行われるので、参列した花婿の両親にとってはチンプンカンプンなんですが、このときに父親が言う"It's all Greek to me." というセリフもシャレがきいていていいですね。

字幕では「何を言ってるのかしら」に対して「ギリシャ語さ」となっていますが、この表現はシェイクスピアの引用で「チンプンカンプンだ」という意味で使われるので、言った後のお父さんの顔が得意げなんですね。





2015年3月23日月曜日

3月29日は映画で学ぶ英語の授業 第3弾

詳細はこちらです。
https://eventon.jp/331/

アクセスがやや分かりにくいですが、

博多駅に博多口側から入り、阪急の10階に直行するエレベーターに乗れば、会場の正面に着きます。

エスカレーターの場合は10階のくうてんまで上がり、阪急側に進めば一番奥にあります。
ちょうど、映画館Tジョイ博多の上になります。

では、よろしくお願いします。


2015年2月26日木曜日

前期日程終了 お疲れ様でした。

後期を受ける人はまだまだ気が抜けませんが、
入試が終わって開放感に浸っている人はさっそく新しいことを始めましょう。

□英語

英語に関して言えば、受験期に研ぎ澄ました力をナマクラにしないために、
良質な英文に触れるようにしてください。

自力で構文は把握できるのであれば、多読用の教材として、テーマ別英単語academic 初級がオススメです。



1日1〜3個の英文を丁寧に構文をとって読んだ後、CDでオーバーラッピング→シャドウイングすれば教養とともに英語力がつきます。

一周してしまえば音声だけ持ち歩いて、歩きながらシャドウイングをすれば毎日確実に勉強時間が確保できます。



今日、一人TOEICのことを聞きに来た生徒がいましたが、
資格試験もアリだと思います。

TOEICを受けるならとりあえず今すぐ申し込むことです。
なんなら質問に来る前に申し込んでいるのがベスト。
行動力がある人は伸びます。



□読書

授業中に何冊かオススメしたものもありますが、
これから一生かけてたくさん本を読みましょう。

今日オススメしたのは世界がわかる理系の名著 (文春新書)です。




ダーウィンの種の起源や、ニュートンのプリンキピアなどが分かりやすく説明されています。
受験の英文でも登場するので、親しみのある科学者もいるはずです。
生い立ちなども興味深いですが、それぞれの科学者の記述の最後にある「ニュートン後」などのコラムがオススメです。
その科学者に関する本が紹介してあるので、その本を手に入れ、さらに知識を深めていくのもいいでしょう。

本は、「今日は5冊買う」などと決めて本屋に行って、少しでも興味が湧いたものを手当たり次第に読んだ方が、知識と教養だけでなく、選別眼が身につきます。
あまり人に頼らず、自分の時間とお金をかけた方がいいのが読書というものです。


□映画

本と同じようにレンタルショップに行って手当たり次第に借りるのも効用がありますが、好きな作品があれば同じ監督が撮っているものや、同じ俳優が出ているものから攻めていくといいでしょう。

何人か、受験が終わったら映画50本オススメすると約束してると思うので、
是非聞きに来てください。


 ***

現役生予備校の生徒は、今後香椎校には行かないので、来てくれるのであれば、赤坂校に火木金あたりで来てくれると嬉しいです。
報告はこのブログのトップにある「CONTACT」のフォームを使ってもOKです。

***


冒頭に新しい事を始めましょうと言いましたが、僕も来年度にかけてchallengingな仕事が一つはじまりました。
なかなか体力と気力を使いますが、成長するきっかけになりそうでとても楽しいです。
ある程度形になったときに公開できたらと思っています。

個人主催のセミナーも行っていくので、卒業生の方も是非参加してください。

まずは3月29日のハリーポッターの呪文で学ぶ英単語の授業です。

是非。

https://eventon.jp/331/











2015年2月23日月曜日

『きっと、星のせいじゃない』、原題はシェイクスピアの引用


こないだは感想だけ書いたので、今日はタイトルについて。

原題は "The Fault In Our Stars" はなので、直訳すると「運命(星)の罪」になるので、邦題は「星のせい」でないと一見逆の意味になってしまいますね。

このタイトルはジュリアス・シーザーの第1幕第2場でカエサルがブルータスに対して言うセリフの引用です。

The fault, dear Brutus, is not in our stars,
But in ourselves, that we are underlings.

「その失敗は運命(星)のせいではなく、我々自身のせいだ」という意味になる有名なセリフです。

星が運命をつかさどることはイメージしやすいはずです。

原作の小説のタイトルについてもいろいろな解釈がされているようですが、
このタイトルが意味するところは「2人がガンになったのは、自分たちのせいではなく、星のせい」ということでしょう。

小説の邦題は『さよならを待つふたりのために』 なので、この引用の意味は完全に消えているんですが、

映画の邦題は「きっと、」に込められた意味が強く、そのあとに「星のせいじゃない」と続けても、最終的な意味は「星のせい」ということになります。
僕もタイトルが発表されたときは不思議に思ってましたが、
映画を観終わって納得できました。

原題と邦題の差はよく議論の的になりますが、今回は原題の意味を殺さず、絶妙につけられていると思います。

『ゼロ・グラビティ』(原題:Gravity)や『ダークナイト・ライジング』(原題:The Dark Knight Rises)などは最悪ですが、じっくり考えると勉強になるので教材にはもってこいです。気になったらいろいろ調べてみると面白いですよ。

シェイクスピアの引用で言えば世界のエリートがみんな使っているシェイクスピアの英語 (講談社パワー・イングリッシュ)がオススメです。


『きっと、星のせいじゃない』も小説版の方があらすじで言及されていたり、映画の中の用例が多く紹介されているので、とても楽しく読めました。
実際の会話でどう使えばいいかも簡単に書いてあるので、ぜひチェックしてみてください。







『きっと、星のせいじゃない』★★★★★



公開初日に観てきました。

あらすじ

ガン患者の集会で出会った二人の物語。

感想

『(500) 日のサマー』と同じ脚本コンビということで楽しみにしてましたが、
期待を裏切らない感動でした。

母がガンになってから、不治の病いやガンをテーマにした作品は意識してみていますが、
同じテーマの作品の中では一番共感できました。

こういった作品の良さは、今まで言葉にできなかった感情に形を与えてくれることです。

ガンがテーマの作品はたいてい、カップルの片方が病気なんですが、今回はヘイゼルが肺ガン、オーガスタスが骨肉腫と、2人とも重いガンを患っています。
つまり患者側の感情と、残される側の感情が一人のキャラクターの中に共存しているんです。
残される側の感情を上手く描いた作品はあまりなかったんですが、
今作はその点を繊細に描いています。

「深夜の電話は恋人の死を知らせる電話かもしれない」

僕も、普段電話を掛けてこない父が電話を掛けてくると、すごく不安な気持ちになります。
なぜ不安になるのか、あまり意識していなかったんですが、
もしかしたら母のガンの再発を知らせる電話かもしれない、とか
誰か亡くなったのかも、とか
瞬間的に考えているのだと思います。

不安を漠然としたまま放っておくと、大きくなっていくばかりですが、
映画として物語に触れる事で、映像、音楽、言葉によって不安の正体を理解できます。
それだけでもだいぶ楽になるものです。

他にガンがテーマの映画でお勧めなのは、
ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の『50/50 フィフティ・フィフティ』とガス・ヴァンサント監督、ミア・ワシコウスカ主演の『永遠のぼくたち』です。

 『50/50 フィフティ・フィフティ』は5年生存率(5年後に生きている確率)が50パーセントの脊髄癌になった27歳の若者が主役で、ガン患者への接し方を考えさせられる作品でした。セス・ローゲンも出ていて、重いテーマをコミカルに描いているのも魅力的です。




『永遠のぼくたち』は他人の葬儀に勝手に参列する趣味がある少年と、脳腫瘍の少女が出会うお話で、とても美しい作品です。加瀬亮がイマジナリーフレンド(想像上の友達)としてでてきますが、彼も魅力的なキャラクターです。







2015年2月10日火曜日

『ANNIE/アニー』(2015) ★★★ 今のアメリカが抱える社会問題




感想

誰もが知ってる名作ミュージカルの最新映画版です。

泣けて笑えて、とってもいい映画なんですが、ミュージカル映画は俳優の口の動きと歌がシンクロしてなかったりするので、どうしても没入感が削がれちゃいます。

トム・フーパー監督の『レ・ミゼラブル』のような、俳優の動きに合わせた録音をしない限りそうなってしまうので、しょうがないといえばしょうがないんですが、ちょっとだけ残念でした。


素晴らしいところ

今回のアニーの素晴らしいところは、楽曲の良さはもちろんですが、「今」のアメリカが抱える社会問題を学べるところでしょう。

昔のアニーは世界恐慌で落ち込むアメリカがニューディール政策によって景気回復する流れを描いていますが、今回はハーレム(ニューヨークの黒人居住区)に住む子ども達が抱える問題や、養子に関する問題に焦点が当てられ、ポップに描いてはいますが、華やかなニューヨークの裏にある影の部分を見せてくれています。


※この先ややネタバレあり



2015年1月20日火曜日

セミナー第2弾、無事終了 ありがとうございました!


今回は「映画のタイトルから学ぶ英語の授業」がメインテーマでした。

10本ほど映画を取り上げ、英検1級レベルの単語の覚え方などの授業を行いました。

中学校で英語を教えられてる方にも参加していただき、充実した時間が過ごせました。

次回も来てださるそうなので、早速次の告知を...


次は3月にハリー・ポッターの呪文を取り上げ、ボキャビルの授業を行います。

英検やTOEICの語彙問題に登場する単語にも多く触れる予定なのでお楽しみに!

2015年1月14日水曜日

『ホビット 決戦のゆくえ』(2014)★★★★★ 


冬期講習中はまったく映画館に行けませんでしたが、なんとかIMAX 3Dで観れました。

ホビット3部作の完結編ですが、圧巻の戦闘シーンから込み上げるものがあり、ラストはもう、涙あふれまくりでした。

HFR 3Dという形式での上映でしたが、とんでもなく映像が綺麗で、これ、実物見るより綺麗なんじゃないかと思うくらい息を飲む映像美でした。
 
セリフも素晴らしかったので、ラストシーンにかけてのビルボのセリフを少しだけ解説します。

ややネタバレなので、敏感な方は映画を見てから読んでください。


2015年1月1日木曜日

元旦

元旦といえば、北予備で浪人していたころの元旦模試を思い出します。

「なんで正月に模試なんか」と当時思ったような気もしますが、気が抜けてしまいがちな正月にはいい刺激になります。

僕は当時、国語がものすごく苦手で、この元旦模試の結果も200点満点中80点。

センター試験まで2週間ちょっとなのでかなりヘコみましたが、

真面目に受けていた授業のテキストを反芻したあと、問題を手に入るだけ解きまくり、古文単語を覚えまくり、漢文は音読しまくりで、本番は160点取れました。

苦手科目での高得点はかなりのアドバンテージになります。

受験生の方々、真面目にやってれば模試で結果が出なくとも力はついてます。

必要なのは反芻と量をこなすこと。

最後まで攻めまくりましょう。